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[いきあたりばったり] かなりの勢いで無駄なことしか書いていないブログ。割と内輪向けですごめんなさい。
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きいろいゾウ、という素敵な本に出会いました。
友達が勧めてた本なんだけどね、なんかもう、確かに「読み終えるのが惜しい本」でした。

本の概要は、一言で言っちゃえば、若い夫婦が田舎にやってきて暮らすっていうそれだけの話なんだけど。
なんかものすごくいいのです。

私はこの本で色々感じること、共感することが多くてですね、
後半はそれはそれは泣きっぱなしでした。そりゃもう。

その気づいたことや共感ポイントについての話は、完全にチラ裏なので、
たたんでおきます。


ついでに文字も薄くしておこう。




りょんたがRと呼ぶなら、私はKと呼びましょう。便宜上。こころのあいつじゃないよ。←
この本の主人公である「ツマ」と「ムコさん」の関係を、勝手に自分らに置き換えて読めた訳なので、私はたいそうツマに感情移入しまくりなのでした。

ムコさんは本当にツマが大好きで、ツマもムコさんが大好き。
ムコさんが嬉しいと、ツマも嬉しくなっちゃう。その逆もきっと然り。そんな感じの二人。

そんなツマとムコさんなのですが、あることをきっかけに、何だか影が落ち始めます。
ムコさんは心ここにあらずといった感じで、いつもしてくれていたこともしてくれない、素っ気ない。ツマはそれがとても悔しくて悲しくて、さみしい。
その悔しさ、悲しさ、さみしさ、怒りをどう表現していいのか分からないツマ。
何かを言いたいんだけど、その何かがわからなくて腹が立つ。

そして、ムコさんが色々あって、東京に2週間くらい行くことになります。
そのへんの文章抜粋。


 私は台所に行って、水道の蛇口を前回にして、水がシンクを打ち付ける音を聞くことにする。シンクからはねた水しぶきが、私の顔を濡らす。冷たいけれど、ずっとそのままにしていようと思う。壊れた蛇口は、元には戻らないのだ。こうやってこのまま水を出し続けて、いつまでもその音を聞いていよう。真夜中の雨みたいな音を。
 ムコさんがやってくる。そして蛇口を閉める。きつく。私はまた開く。ムコさんは悲しそうな顔をして止める。もっともっときつく。そして私の手を取るけど、私はそれを振り解いて、もう一度蛇口を開ける。シンクを打つ音、真夜中の、雨の音。
「ツマ。」
 喉が渇いた、と思う。何かをごくごくと飲みたい。飲んで、飲みきれないくらいに飲んで、大きなげっぷをして、そして笑っていたい。
 私はそれをしていないと死んでしまうみたいに、いつまでもいつまでも蛇口を開ける。ムコさんは悲しそうな顔でそれを閉める。何度も、何度も。
「ツマ。」
泣いてしまいたい。でも、涙が出ない。
「ツマ。」
 水はこんなにも流れているのに、私の喉はからからに渇いている。
「東京に行く。」
 水の音、真夜中の、雨の音。誰かの泣く声、月の光。私はとても、喉が渇いている。
「東京に行く。」
 ムコさんがあんまり蛇口をきつく閉めたままだから、なかなか開くことが出来ない。私はそばにあったミロの瓶で、ムコさんの手ごと、蛇口を思い切り叩く。それでも、ムコさんは手を離さない。もう一度、さっきより強い力で叩く。ごつっと嫌な音がして、瓶が割れる。ムコさんの手に、真っ赤な血がにじむ。息を飲むほどに綺麗で、そして疑うことなく真っ赤な血が流れる。
「ツマ。」
泣いてしまいたい。でも、涙が出ない。


このページ読んで、号泣したんです。
言いたいことはあるはずなのに、言葉にならない。言葉が出ない。
なんか、すっごいよく分かったんです。

なんかモヤモヤすることはあるのに、それが何のせいなのか、何が悪いのか、どうすればいいのか分からないことって多いです。どう伝えるのが一番いいのかも分かりません。
今もこの共感具合をどう言葉にして良いのかわからないです。
多分、自分以外の誰もわからないと思います。

ムコさんの意識がツマに向くことが激減し、東京に行ってしまってから、ツマの世界から色が消えたようになります。
ムコさんの存在で支えられてる感が大きいツマ。ムコさんしかいない。

で、私の話。
今、家からも就活からも逃避しているので、会いたい人って結構限られてる。
サークルでも就活の話、ゼミでも就活の話(ついでに研究からも逃避中)。
私は燃え尽き症候群。自分で活動してる時はそこに邁進してるから疑問なんて生まれないのだ。けど、一度止まって考え出してしまうとダメなんです。自分が信じてたことは本当にこれでよかったのか。周りが大手受けてたり内定もらってたりすると、自分の就活が疑問に思えて仕方がなくなる。私はこんな小さい世界で仕事がしたかったのか?もっと大きな事に挑戦できたんじゃない?しなくていいの?自分からどんどん自信がなくなっていく。だから、他の人の就活の話なんて聞きたくない。今から受ける気力もない。
そうなると、身近で会いたい人って一人しかいなくなっちゃうんです。
私の就活を最初から今まで一番よく見ているから気楽だし、私の就活を肯定してくれる気がする。
でもさ、向こうだって、何も私とだけ関わって生きてる訳じゃないんですよ。家族大好きだし、家族もKのことが大好きっぽいのが話からすっごい伝わってくるから、何か私ばっかり独占してるのが家族に申し訳なくなるときが多い。
両親と同じ職業に就いて、その仕事を本当に誇らしげに、楽しそうに話すのを聞いてて、天職ってあるんだなあとか、昔から先生になるっていう目標を持ち続けてそれを叶えちゃうってすごいことだよなあとか思って、本当に自分何がしたいんだろうって考えちゃう。
まあそれはいいとして、

3月下旬くらいから、にわかに高校の友達やら学科の友達との付き合いが増えた様子。
別に全く普通なんだけど、なぜだか私はちょっとおもしろくない訳です。
前までは70%くらい自分に向いていた興味がそのうちの30%くらい奪われた気分?よくわからないが。
特に3月下旬から4月頭にかけては、今までうざいくらいだったメールとか電話とかがおもしろいくらいに激減してた訳です。メール返さなくてもメール送ってくるような人が、1日とか2日くらい、何の連絡もなかったり。しかもそれを何とも思ってない様子。
それが癪だったんでしょう、私は意地でも連絡しねーよくそばかとか思ったりしました。

でも別に、向こうは特に悪いことをしている訳でもない。私が勝手にやきもきしてるだけなんです。なんかおもしろくない。でも、別に向こうが悪いわけでもないので、怒るのも変?それにまあさみしいとか何とかかんとか認めたり言ったりするのは、かなり癪。
自分ばっかり相手に意識が向いてるのが癪だし、悔しいし悲しいし、さみしい。
そういうモヤモヤモヤモヤで4月はじめのあんな記事でした。追うより追われる方が楽しいんです。
まあ、その後爆発させちゃって解決したんですけどね。人間素直が一番。


ムコさんの意識が自分に向かないのが悔しくて悲しくてさみしいツマに、共感しちゃったんでしょうかね。
そして東京で色んな事に決着をつけて帰ってきたムコさんは、やっぱりツマが大好きで大好きでしょうがない、っていうことに気づく訳です。
途中で不安になるだけに、これには大層感激しました。
この二人の関係、大好きです。




他にもこの本で感じたことはきっとたくさんあるんだけど、やっぱりそれを文字にすることは私にはできないようなので、友達の感想を抜粋。無断。ごめんよ。

「最近も、結構毎日にたくさん悲しいことはあって、
色んなことをしてこなかったことに後悔をしたり
してきたことが全然たいしたことじゃなかったような気がして不安になったり、
ぐるぐるとよく悩んで、全く何がしたいかわかんなくなったり、
結構そんなところがあったんだけどね。

どんな仕事をしても、どんな生きかたを選んでも、自分が正解だと思えば全て正解になるっていうかね。
今、なんか今後の人生すべてのカギをにぎっているような気がして、これを間違えたら人生間違えるような
そんな気負ったアレがあることは否めないんだけど、
でも「この会社にいけなかったらもう駄目」みたいなのってきっと違う。
なにをしても、どんな道を選んでも、
幸せにしてこうと思えば全部幸せにできるし、正解にしようと思えば全部正解にできるし、

いつでも選んだなかで最善をしていけばいい。
とか、なんとなくそんなことを思う本でした。」

今これをしなかったからもう人生終わりってことはないんだ、っていう、普通に考えたら当たり前のことに気づかせてくれました。
でも、就活ってこんな考えに陥りがちだよね。
この業界に行けなかったら終わりだとか、この仕事が本当はやりたかったのに、とか。

たとえ努力して手にした結果が意に沿わないものだったとしても、それを正解にするも不正解にするも、自分次第なんですよね。

この本のおかげで、色んな事を受け入れられそうです。

とにかくオススメなんです。きいろいゾウ。

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無題
なんかちょっとわかるかも

でも、彼も自分のこと大好きなんだなって感じる時があるってのはかなり羨ましいです
うちは追いっぱなしなのでw

その本是非読んでみたいです!


しかし、せっかくいい話だったのに最後に表示された広告バナーに「ほーら、ゾウさんだよー」って書かれてて感動が台なしでした
バナーこのやろー広告このやろー!
りょんた 2010/04/29(Thu)01:33:47 編集
無題
西加奈子ってひとの本で、小学館文庫から出てます!ぜひ読んでみて♪

広告ww
というか、ケータイから見たら全然字うすくなってないですねw
染井桜 2010/04/29(Thu)12:06:17 編集
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