[いきあたりばったり]
かなりの勢いで無駄なことしか書いていないブログ。割と内輪向けですごめんなさい。
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自分はどうしたいのか。
仇を討ちたいのか。
助けたいのか。
それとも、
(ただ、もう一度会いたいだけなのか――――・・・)
仇を討ちたいのか。
助けたいのか。
それとも、
(ただ、もう一度会いたいだけなのか――――・・・)
[ 邂 逅 ]
気づけば身体が動いていた。
『アスランが信じて戦うものは何ですか?戴いた勲章ですか?お父様の命令ですか?』
『そうであるならば、キラは再びあなたの敵となるかもしれません』
『キラは地球です。お話しされたらいかがですか?お友達とも』
彼女の言葉が思い起こされるが、これはきっと彼女の言葉があったからではない。
「こちらザフト軍特務隊、アスラン・ザラだ。・・・キラ・ヤマトだな」
どんな反応をされるのかが怖くて。どう接したらいいのか分からない。
敵としてなのか、味方としてなのか。
「!!・・・・・・・ぁ」
スピーカーの奥から、微かに息を呑む声が聞こえた。
・・・無理もない。殺されかけた相手が目の前に現れたのでは。
それがたとえ、彼とずっと一緒だった、幼なじみのアスラン・ザラだとしても。
「この戦闘に、ザフトが介入するのか!?」
懐かしいはずの、その声。
嘗てはいつも甘えたようだったのに、今はとても固い。
――警戒されるのも仕方がないのだけれど。
「軍からは何の命令も受けていない」
そう。これはただ、
「この介入は、俺個人の意志だ!」
(俺がお前を守りたかった)
それだけ。
「――話がしたい。お前と。」
そう告げる自分に対する戸惑いもある。あいつ、キラは――
(ニコルを、殺した)
けど、自分は?
彼を――キラ自身を、殺そうとしたではないか。
確実に、彼の死を願って戦った。
(俺は・・・)
どう、したい?
「彼は敵じゃない!!」
自分に向けられた銃口を手で制し、そう口にする彼。
(敵じゃない、か・・・・)
今になってまで、尚?
嘗て自分が彼に向けて言った言葉。
『僕たちは敵じゃない!そうだろう!?』
その時彼はその問いに対して答えを返さなかったけれど。
・・・今になって、
『敵じゃない』
なんて。
「アスラン・・・」
「キ、ラ・・・」
言葉が出ない。言いたいこと、伝えたいことは山ほどあるはずなのに。
キラの顔を見ると、彼は薄く笑んでいて。
ただ、その紫玉は湖面のように揺れていた。
なんて顔、してるんだ。
泣き笑いとも取れる、その表情。
それは夕日の効果も相まって、あのとき――つい先日の、モルゲンレーテでの光景と重なる。
今にもこぼれ落ちそうな、アメジスト。
そして今、二人の間を遮るものは何もない。
気づけば。
「――キラっ!!」
彼めがけて駆け出していた。
「アスラ――・・・?」
すこし戸惑うように、でもどこかほっとした体の彼。
腕の中に感じる体温は、確かに温かくて。
ようやく、キラが生きているのだと実感した。
ころして、なかった。
言葉もなくて、でも何か告げたくて。
迷って開きかけた口を閉じると、彼が笑ったような気がした。
けれどそれだけで、お互いに言葉は出ない。
<トリィ>
またしても聞こえた懐かしい声に、彼が顔を上げた。つられるようにして自分もまた空を仰ぐと、それはまっすぐにキラの肩に降り立った。
それが何であるかを認識して、驚きに思わず目を見開く。
緑色の、ちいさなロボット鳥。
オーブでも見たが、その時とは違う。
彼の地で見たときには、その運命に絶望した。
そして今は――
その姿は、覚えているまま。
今になってまで、昔のまま。
じわり、と目頭が熱くなる。
何だ。こんな自分たちにだって、変わらないものならあったじゃないか。
今までの緊張が、一気に解けた気がした。
改めてキラを見れば、瞳に溜まっていた雫がこぼれ落ちてしまっていた。
泣き虫なところも。
それでも笑おうとするところも。
何も変わらない。
(キラだ――・・・)
なら、
今はまだすこし。
昔のまま。
この腕の中のぬくもりを、離さずにいていいだろうか。
それが俺に許されるのかな。
ニコル―――・・・
気づけば身体が動いていた。
『アスランが信じて戦うものは何ですか?戴いた勲章ですか?お父様の命令ですか?』
『そうであるならば、キラは再びあなたの敵となるかもしれません』
『キラは地球です。お話しされたらいかがですか?お友達とも』
彼女の言葉が思い起こされるが、これはきっと彼女の言葉があったからではない。
「こちらザフト軍特務隊、アスラン・ザラだ。・・・キラ・ヤマトだな」
どんな反応をされるのかが怖くて。どう接したらいいのか分からない。
敵としてなのか、味方としてなのか。
「!!・・・・・・・ぁ」
スピーカーの奥から、微かに息を呑む声が聞こえた。
・・・無理もない。殺されかけた相手が目の前に現れたのでは。
それがたとえ、彼とずっと一緒だった、幼なじみのアスラン・ザラだとしても。
「この戦闘に、ザフトが介入するのか!?」
懐かしいはずの、その声。
嘗てはいつも甘えたようだったのに、今はとても固い。
――警戒されるのも仕方がないのだけれど。
「軍からは何の命令も受けていない」
そう。これはただ、
「この介入は、俺個人の意志だ!」
(俺がお前を守りたかった)
それだけ。
「――話がしたい。お前と。」
そう告げる自分に対する戸惑いもある。あいつ、キラは――
(ニコルを、殺した)
けど、自分は?
彼を――キラ自身を、殺そうとしたではないか。
確実に、彼の死を願って戦った。
(俺は・・・)
どう、したい?
「彼は敵じゃない!!」
自分に向けられた銃口を手で制し、そう口にする彼。
(敵じゃない、か・・・・)
今になってまで、尚?
嘗て自分が彼に向けて言った言葉。
『僕たちは敵じゃない!そうだろう!?』
その時彼はその問いに対して答えを返さなかったけれど。
・・・今になって、
『敵じゃない』
なんて。
「アスラン・・・」
「キ、ラ・・・」
言葉が出ない。言いたいこと、伝えたいことは山ほどあるはずなのに。
キラの顔を見ると、彼は薄く笑んでいて。
ただ、その紫玉は湖面のように揺れていた。
なんて顔、してるんだ。
泣き笑いとも取れる、その表情。
それは夕日の効果も相まって、あのとき――つい先日の、モルゲンレーテでの光景と重なる。
今にもこぼれ落ちそうな、アメジスト。
そして今、二人の間を遮るものは何もない。
気づけば。
「――キラっ!!」
彼めがけて駆け出していた。
「アスラ――・・・?」
すこし戸惑うように、でもどこかほっとした体の彼。
腕の中に感じる体温は、確かに温かくて。
ようやく、キラが生きているのだと実感した。
ころして、なかった。
言葉もなくて、でも何か告げたくて。
迷って開きかけた口を閉じると、彼が笑ったような気がした。
けれどそれだけで、お互いに言葉は出ない。
<トリィ>
またしても聞こえた懐かしい声に、彼が顔を上げた。つられるようにして自分もまた空を仰ぐと、それはまっすぐにキラの肩に降り立った。
それが何であるかを認識して、驚きに思わず目を見開く。
緑色の、ちいさなロボット鳥。
オーブでも見たが、その時とは違う。
彼の地で見たときには、その運命に絶望した。
そして今は――
その姿は、覚えているまま。
今になってまで、昔のまま。
じわり、と目頭が熱くなる。
何だ。こんな自分たちにだって、変わらないものならあったじゃないか。
今までの緊張が、一気に解けた気がした。
改めてキラを見れば、瞳に溜まっていた雫がこぼれ落ちてしまっていた。
泣き虫なところも。
それでも笑おうとするところも。
何も変わらない。
(キラだ――・・・)
なら、
今はまだすこし。
昔のまま。
この腕の中のぬくもりを、離さずにいていいだろうか。
それが俺に許されるのかな。
ニコル―――・・・
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